MEIJYO_UNIVERSITY2025
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114分子生物情報学 (兒島 孝明) 研究室学生×教員 誌上ディスカッションON-PAPER DISCUSSION農学の基礎から生物学、経済学まで自然や命に関わる幅広い分野を学ぶ兒島准教授(以下准教授) 生物資源学科の特色は、農学を幹としながら畜産、食品をはじめ遺伝子?細胞レベルの解明に取り組む分子生物学や経営?経済学まで幅広く学べる間口の広さです。学生 柴山さん(以下学生) 1、2年次は農学全般に関する学びを通じ、興味の矛先を絞り込みながら、3年次以降に所属する研究室を選んでいきます。そんな中で私は、分子レベルという自然や命の根源的な部分を追求できる分子生物学の分野に強く惹かれました。准教授 分子生物学は農業分野だけではなく、医療や食料、エネルギーや環境など多角的な応用展開を見据えることができるという点で、非常に将来性のある分野です。統計やプログラミングを駆使しデータ化することで職人の技術を継承学生 今、私は研究室で麹カビを扱っています。准教授 お酒や醤油のような日本の伝統食の生産現場での麹カビの活用は、一般に造り手の経験則への依存度が大きいです。しかしこれをデータ化することで、属人化することなく技術を継承することが可能になります。私たちが進める分子生物情報学の観点では、世界中のビッグデータなどを基に多様なツールを駆使し、データを多面的に捉えながら解析を行います。学生 本学科では、そのために要する統計やプログラミングなどの手法を学び、卒論を通して実践できる点が魅力です。准教授 これはデータマイニングと呼ばれ、大規模データを利活用して新しい知見を得る分析手法です。バイオ分野のみならず様々な学術?産業分野で役立ちます。研究のプロセスが教えてくれた「失敗こそ成功の源」という学び准教授 新たな発見に出会った時の喜びは計り知れません。好奇心があり、未知との遭遇を楽しめる人は本学科の学びが向いていると思います。但し、研究は地道な作業の連続なので根気強さが求められる分野でもあります。学生 私自身、研究を通して「失敗こそ成功の源」ということを学びました。研究を進める中で失敗は付き物。でもその失敗も見据えながら課題を抽出し、計画を立て、実践して結論を導き出すというプロセスは必ず将来の糧になると確信しています。准教授 私たちが取り組むデータサイエンスは、世界的なニーズが高く、伸びしろは無限大です。本学科では、2025年度の新カリキュラムから正式にプログラミング言語の講義も導入されます。農学部でありながら、ビッグデータとの向き合い方を本格的に学べる点も強みになるでしょう。皆さんにはぜひ多彩なステージで羽ばたいてほしいと願います。学生 これからは職業や分野問わず、データと向き合わざるを得ない時代です。ここで学んだ思考、手法、スキルを財産にデータサイエンスの可能性を証明したいです。

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