MEIJYO_UNIVERSITY2025
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122景観解析学(■﨑 友子) 研究室学生×教員 誌上ディスカッションON-PAPER DISCUSSION身近な環境から地球規模の自然環境まで幅広い研究対象から興味ある分野を学ぶ学生 内田さん(以下学生) 学科の授業では、動物、植物、微生物、それらを取り巻く陸地や海洋の環境などについて、遺伝子などのミクロの世界から生態系?景観といったマクロの世界の分野まで幅広く学んでいます。実験室での実験や里山や附属農場でのフィールドワークも多く、その際に講義で学んだことを深く理解しています。■﨑助教(以下助教) 研究室では、都市緑地や里山などの身近な環境から海洋のような地球規模の自然環境までを研究対象としています。人と野生動植物が共存できる景観とはどのようなものかを考えて、それを実現するために、バイオロギングやGISなどさまざまな手法を使って動物の生態情報などを調べています。ウミガメにカメラや装置を取り付け捕食行動などの生態を研究学生 私の研究では、カメラやウミガメの姿勢などを記録する装置などの記録計をウミガメに取り付けて、海洋にリリースして、データを収集。それらをもとにウミガメの捕食行動を解析しています。小さい頃から海の近くで育ったこともあり、海の生物を守りたいという気持ちを持っていました。大学進学の際、生物や環境のことを専門的に学びたいと思い、選びました。助教 ウミガメなどの海洋動物は広い範囲を回遊したり、深海まで潜ったりしています。そうした広域の環境情報を人間が観測するのは困難です。研究の第1目的は海洋生物の生態を調べることですが、それに加えて、人間が行きにくい場所の情報を得て気象予測などに役立てることも研究の目的になっています。失敗を恐れず挑戦し、試行錯誤を繰り返して成長してほしい助教 研究は仮説を立てて調査を行いますが、実際は仮説通りにウミガメが行動せず、思いも寄らないデータを得ることもあります。しかし、そのデータを突き詰めると大きな研究成果につながることもある。ですから、時には非効率であっても興味を持ったことに挑戦してほしいと思います。学生 私は研究室で調べる?相談する?考える?試すといった試行錯誤の過程を繰り返したことで大きく成長できたと実感しています。今までウミガメは海藻などを食べていると思っていましたが、実はクラゲもたくさん食べていると知りました。新しい知識が加わるたびに、感動したり、疑問が沸いたりして、さらに深く思考を巡らせていました。この経験はこの先でも役立ちそうだなと思っています。助教 研究では自主的に考えて行動することを重要視しています。単に専門知識を蓄積させるだけでなく、研究室のメンバーと協力しながら調査を行ったり、より伝わりやすいプレゼン手法を工夫したりすることで社会で必要となるコミュニケーション力や論理的思考力が向上するといいですね。

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