MEIJYO_UNIVERSITY2025
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052地域経済と中小企業 (太田 志乃) ゼミナール学生×教員 誌上ディスカッションON-PAPER DISCUSSION社会に飛び出すフィールドワークなど学びの意欲や好奇心を満たせる環境学生 吉田さん(以下学生) もともと机上で理屈を考えるより、行動して実体験することが好きな性格だったため、産業社会学科が力を入れているフィールドワークに興味が湧き、入学を決めました。太田准教授(以下准教授) 本学科は実際に企業へ足を運ぶなど、学生自身が社会に飛び出し、自分の関心事や疑問について調査するフィールドワークに力を入れています。また、生きた経済に触れるなかでは、法学や経済学などあらゆる分野との密接な関わりが浮き彫りになります。そのため、周辺領域全般を含めた多角的な学びが得られる点も本学科の特徴です。学生 今は学外での生きた学びを得る機会の多さなど、大学ならではの醍醐味を実感する日々です。本学科には「知りたい」という意欲や好奇心を満たすことのできる環境が整っていると感じます。現代らしいお菓子企業の取り組みを研究グループ力を結集し、レポートを発表学生 ゼミの活動で印象深いのは経済学部主催の「レポート?フェスティバル」です。ゼミの中で班に分かれてテーマを決め、研究?調査を重ねてレポートにまとめて発表するのですが、私たちの班では「中小企業の多角化戦略」について取り上げました。私が提案したお菓子企業の取り組みを題材にリサーチから企業へのアポ入れ、現地への訪問に関する段取り、予算組み、発表まで学生主導で実施。大変なことの連続でしたが、充足感がありとても楽しい時間でした。准教授 最初に提案を聞いた時は、SNSやインスタ映えというキーワードが出てきたので令和的な捉え方だなと思いました。しっかりと中小企業の多角化という軸につなげていて面白い切り口だと感じました。互いの弱みや強みを認め合うことで生まれる相乗効果の素晴らしさを実感准教授 2年次から3年次へと継続してゼミに所属する学生が大半のため、2年目に入ると、研究調査の進め方が格段にブラッシュアップされていく様子を目の当たりにします。問題提起から結論を導き出すまでの分析手法やプレゼンテーション、対外的なやりとりまで、自発的に考えて解決に向けて取り組む姿勢は必ず社会でも役立つはずです。学生 グループで取り組んだことによる発見もありました。互いの弱みや強みを認め合いながら、ゴールを目指すことで生まれる相乗効果の素晴らしさを感じると同時に、自分の思いや知見をわかりやすい言葉で伝えることの大切さを実感。自分自身の成長につながりました。准教授 本ゼミでは「地域経済と中小企業」をテーマに研究を進めています。日本の企業のうち99%が中小企業であるという現状を踏まえると、今後、学生たちがたとえ大企業に所属したとしても中小企業との接点は必ずあるはずです。その時に中小企業についての学びを踏まえ、社会や企業が成立している構造の深さや広がりを理解し、意識できる人材になってほしいと願っています。

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