MEIJYO_UNIVERSITY2025
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064環境経済分析、都市とインフラ (森杉 雅史) ゼミナール学生×教員 誌上ディスカッションON-PAPER DISCUSSION都市課題の解決をめざし、静岡県のごみ処理問題を研究中学生 萩原さん(以下学生) 都市情報学科では環境?観光?情報?経済?経営?交通などあらゆる都市問題について学び、3年次にまちづくりや企業経営の現状分析や政策?事業の評価分析を学ぶアナリストコースを選択しました。研究室ではごみ処理問題をテーマに学んでいます。森杉教授(以下教授) 本学科ではさまざまな都市問題に関して、学科で習得した情報スキルを用いながら課題解決のための対策を見出せる人材を育てています。萩原さんは地元静岡県に貢献したいという思いから静岡県のごみ問題に興味を持ち、静岡県が現在取り組んでいる処理施設の集約化?広域化計画が県に与えるメリット?デメリットを明らかにしています。研究を通じて、地方行政の難しさを実感課題の本質を見極める力を育てる学生 公務員志望の私にとって、ゼミで静岡県のごみ問題に関わったことは就職後も役立つと思います。静岡県は今まで各市町村の施設でごみ処理を行ってきましたが、現在は施設を集約してごみ単価量あたりの処理費用を軽減させようとしています。ところが、それにより収集範囲が広くなり、収集費用は増加します。研究を通じて、1つの政策にもメリットデメリットがあり、適切な組み合わせを見出すことが重要だと感じました。教授 最初は何をテーマにしたらいいかわからない学生もいますが、私がいくつか提案する中から興味あることを見つけ、研究していくうちに「もっと知りたい」「なんでこうなるんだろう」と好奇心や探究心を持つ学生も少なくありません。研究を通じて、課題の本質を見極める力が育つことを願っています。興味関心があることを研究テーマに!幅広い研究で視野が広がる学生 ゼミでは学生が自分が興味を持ったことを自由に研究できるのも魅力ですね。ゼミ生の中でも、環境に関して研究する学生もいれば、観光や産業を研究する学生もいます。幅広いテーマや規模で取り組んでいるので、他の学生の研究を見るだけでも視野が広がります。教授 自動車関連会社に内定をいただいた学生はEVの普及に応じた産業や経済への影響などを研究していましたし、スノボが趣味な学生が温暖化によってスキー場が受ける長期的影響予測を測っています。その他、温州みかんへの温暖化影響、大井川鉄道と土砂災害の影響、家庭食品ロスへの諸対策、ブラックバスの食用事業化、三重県赤字鉄道のバス代替案など、非常に多様性に富んでいることが特色です。私のゼミでは、将来、街づくりや都市計画に関わりたいと志望し、多くは公務員や大学院進学、コンサルタントなどの道を選択する傾向があります。そんな学生たちが現場で活躍できるように情報スキルの活用などより多くの経験ができるゼミでありたいと思っています。

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