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068情報セキュリティ(野崎 佑典) 研究室学生×教員 誌上ディスカッション自ら選択したプログラムを学び、専門性を高められるカリキュラム学生 日比野さん(以下学生) 物心ついたときからパソコンを触るのが好きで、家のネットワークを構築したり仮想環境でマルウェアの挙動を分析したりしていました。学生の自主性を尊重することをモットーにした野崎研究室は、研究内容や方向性を決めることができ、やる気次第でさまざまなことにチャレンジできる環境にあります。野崎助教(以下助教) 情報工学は分野が広いのが特徴です。さまざまな分野から本人がやっていて楽しい分野を追求することが一番成長することだと思うので、学生の自主性を重んじています。また、本学科は専門領域を4つのプログラムに分けています。情報工学の全体を網羅した上で4つから1つ以上を専攻するので、自分が選択した分野に集中して学びを深め、専門性を高められるのが魅力ではないでしょうか。学会発表などのアウトプットを通して、エンジニアに必要な基礎力を身につける学生 研究室ではネットワークや情報セキュリティについて学んでいます。その中でも、Wi-Fiアクセスポイントのセキュリティ評価環境構築に関する研究をしていて、国内学会での発表に加え、査読付き学術論文にも挑戦しています。助教 学会発表自体も素晴らしいことですが、学術論文となると専門家による査読があり、大学院生でも掲載できる人はそう多くはいません。私の研究室では、積極的に学外での学会発表を推奨しています。それは、アウトプットの経験をしてほしいからです。学会発表を通して、研究課題の抽出や、解決方法の提案、実験による評価、得られた結果の考察、論文作成、プレゼンテーションの一通りの研究のサイクルを実践することができるため、エンジニアにとって必要な基礎的な力が身に付くと考えています。これからの時代に不可欠な情報工学分野で失敗を恐れず柔軟なチャレンジを学生 卒業後は大学院に進み、今後の社会に欠かせないAIのセキュリティに関する研究を進めていきたいと考えています。助教 AIに関しては、AIの認識を騙す攻撃や貴重な知財であるAIモデルを窃取する攻撃、AIモデルを改ざんする攻撃、学習に使用されたプライバシー情報を復元する攻撃などさまざまな脅威があります。学生 AIも分野が広いので、まずは本をたくさん読むなどして興味の幅を広げていきたいです。そして研究を通して、情報工学に関する要素技術のみならず、自ら情報をリサーチして収集する能力、プレゼンテーション力などもさらに磨いていきたいです。助教 情報工学は社会的ニーズが高く、今後はさらに求められていくでしょう。特にAI分野は、研究者人口も急速に増え、新しい研究が急激なスピードで進んでいます。研究者同士の競争も激しくなりそうですが、ニッチな分野など、自分の力を発揮できる分野で活躍できるといいですね。研究では失敗だと思ったことが思わぬ発見につながることもあるので、どんどんチャレンジしてほしいと思います。ON-PAPER DISCUSSION

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