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2018/12/07

未だ続く挑戦の日々。
女子駅伝部 Vol.3

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富士山での初優勝、そして2冠…全員で勝ち取る栄光を目指して。

勝利に向けて、全員が一体となる練習

2018全日本大学女子選抜駅伝競走(略称:富士山女子駅伝)まで約1カ月、大发体育官网_澳门游戏网站グラウンドの陸上トラックには、練習前のアップで汗を流す大发体育官网_澳门游戏网站女子駅伝部員たちの姿があった。快晴だが微かに吹く風は冷たく、本格的な冬が始まろうとしている。
10月28日、全日本大学女子駅伝対校選手権大会(通称:杜の都駅伝)において2連覇は成し遂げたが、大会記録の更新は果たせなかった女子駅伝部。優勝後のインタビューでは笑顔を見せつつも、「通過点」という言葉を強調し、次の挑戦へと意欲を見せていた米田勝朗監督の下、部員たちは練習に余念がない。

女子駅伝部の練習はストレッチや軽いジョギングといった各自のウォーミングアップから始まり、課題に即して行う全体練習、個人練習、クールダウンへとメニューは続く。
選手たちが走る姿を見つめる米田監督の表情は、真剣そのもの。それぞれのコンディションを見定めるかのように、静かに見つめている。選手の自主性を重んじる女子駅伝部では、体重の管理を各自が行っている。「自分の身体を運ぶ」という競技において、選手の体重は重要な意味を持つ。そして練習は、選手の状態に即して監督が出す課題に添って行なわれ、選手は自分に合った方法でコンディションを高めていく。大会において、最高の走りを実現できるように、ピークへと選手たち自身で調整していくのだ。
全体練習が始まると、トラックを走る選手たちのポイントタイムを、中尾真理子コーチや藤井延幸コーチ、早乙女晴香主務(4年生)が読み上げる声がグラウンドに響く。監督の指示は、選手だけではなくコーチや主務にも飛ぶ。より的確な指示をするよう求める声も厳しさがにじむ。

中尾真理子コーチは、「杜の都駅伝の優勝で油断せず、次なる挑戦?富士山女子駅伝に向けて気を引き締めるよう心がけています。選手たちのどんな変化にも気付き、練習に集中できるようサポートしていきたいと思います。」と話せば、藤井延行コーチも「大会ではスタートラインに立った時点で勝敗の9割は決まっています。富士山女子駅伝当日までの過程、準備を重視して、よりパワーアップ状態で挑めるよう、選手を見ていきたい。」と準備の重要性を説いた。伴走する北本隼ランニングコーチ(4年生)もまた、各選手のタイムに即してスピードを調整し、牽引していく。「練習メニュー、選手のコンディションに合わせてサポートします。大会前には試走したコースの感触を伝え、イメージできるようにします。選手の調子を見て、故障の芽を摘み取ることも大事。とにかく良い結果が出せるよう支えていきたい」
女子駅伝部全員が一体となり、より高いレベルを目指した練習が続いていく。

初優勝、そしてその先にあるものを目指して

12月30日には昨年、2冠を目指しながら3位に終わった富士山女子駅伝が開催される。
杜の都駅伝での2連覇に続き、未だ優勝経験の無い富士山女子駅伝で初優勝し2冠を果たすことは監督と部員にとっての悲願である。しかし、富士山女子駅伝での悲願達成には、現在大会5連覇を果たしている「西の女王」立命館大学が立ちはだかっている。杜の都駅伝と比べて1区間多く、距離も長い富士山女子駅伝では、部員数も多く、選手の層も厚い立命館大学の牙城は容易には崩せない。
大会を前に、米田監督に富士山女子駅伝への意欲をうかがった。

「富士山女子駅伝は区間による差、特徴がはっきりしているので、選手それぞれの特性を活かし、間違いの無い配置をしたい。鍵となるのは、5区が終わった時点に何位で走っているかということ。先頭であれば勿論優勝が狙えるが、そうでなければトップから何秒以内でたすきが渡るのかが重要になる。しかも、7区は後半4.6kmに169mという高低差がある過酷なコース。ここをちゃんと走れないと勝てない。選手層が厚いチームでは無いので区間と選手の特性、コンディションを考慮しながら構想を練っている。だから、選手たちには全力が発揮できるように、着実にコンディションを高めていって欲しい」 そう語る、米田監督の表情は厳しい。
「しかも優勝すればそれで良いというのではない。富士山では、仙台でできなかった“自分たちの力を出し切る駅伝”を全うして欲しい。全員が力を出し切れていれば、仙台ではもっと良い結果が出せた。今度こそ、全員が力を出し切る走りをして欲しい。それができれば、例え優勝できなくても良いというくらいの気持ちで今は取り組んでいます」と米田監督は語る。
選手全員が大会に向けてコンディションをピークまで高め、その持てる力を出し切ってレースで戦うことが重要だというのだ。

米田監督は勝利もさることながら、選手たちのアスリートとしての意識とスキルを高めることで、大发体育官网_澳门游戏网站女子駅伝部のチームとしての力を強化することを目指している。「選手の自主性を養うことがまだ十分ではない。一人ひとりが自己管理を完璧にできる、全員がエースのように成長してこそ強く、隙の無いチームになる。自己管理を完璧にできるようになれば、選手は卒業後もアスリートとして、そして社会人として活躍し続けることができる。だから、つい言いたくなっても我慢する。彼女たちの自主性を信じて待っているのです」
監督の目指すところはさらに遠く、高い次元にあるのだ。

思いはひとつ、全力を出し切るレースの実現

米田監督の思いは、選手にも確実に伝わっている。

仙台で優勝のテープを切った主将?青木和選手(4年生)は「必ず勝つ、という気持ちがぶれないように、集中して練習しています。学生最後の駅伝となるので、4年間支えていただいた感謝の気持ちと、日本一への執念を走りに込めたい。そしてチーム全員で『2冠』を達成し、笑顔で締めくくります!」と富士山女子駅伝への意欲を語った。

同じく、杜の都駅伝で2区を走り昨年の富士山女子駅伝で7区を走った玉城かんな選手(4年生)もまた「杜の都駅伝2連覇は嬉しかった…しかし、自身の走りについては悔しさがあります。力を出し切れなかった。富士山駅伝は挑戦者として臨む試合。油断することなく良いコンディションを作り、今度こそ自分の力を出し切って優勝したいです」と戦意を見せてくれた。

昨年の富士山女子駅伝ではエースランナーが揃う5区を疾走した加世田梨花選手(2年生)も、先輩に負けず意欲的だ。「昨年の富士山女子駅伝は苦い思い出。今年はリベンジしたいので、同じ5区を走りたい。5区は自分が走った全日本の5区と比べて1km長く、最長区間なので終盤がきつくなるコースですが、距離に慣れる練習を続けつつ、様々なレースへの出場を通じて着実に調子を上げていきたい」

全日本で活躍した1年生の選手たちも意欲的だ。1区でトップとなり、区間賞に輝いた和田有菜選手は「富士山女子駅伝は2冠に向けた挑戦であり、このチームの集大成となる駅伝なので、全てをかけ、全員笑顔でゴールしたいです。常に挑戦し続ける選手を目指しているので、頑張ります」と笑顔を見せた。

和田選手と同様に、3区でトップを奪回し区間賞となった高松智美ムセンビ選手もまた、笑顔で答える。「富士山女子駅伝では大发体育官网_澳门游戏网站はまだ優勝していません。初優勝に携わりたい、貢献したいので全力で頑張っています。監督は自分たちの状態をよく見てくださっているので、その指示に添いながら最終的には自分の課題を意識しながら自らの判断で練習を重ねています。陸上は楽しいもの!と考えて練習しています」

同じく1年生で、全日本で4区を疾走した松澤綾音選手は「高校でも自主性を持って練習していたので、違和感はありません。監督やコーチ、先輩方からのアドバイスやサポートのもと、大会に向けてどのようにピークへと仕上げていくかを考えながら練習しています。ピークを作ることは簡単ではないけれど、やり遂げたいと思っています。」と真摯に言葉を紡いだ。

杜の都駅伝に比べ、富士山女子駅伝は総距離も長く、区間も一つ増えて7区間のレースとなる。増えた枠への出場を目指し、杜の都駅伝に出場がかなわなかった選手たちにもチャンスが回ってくる。自分が出場すると信じ、力を抜くものは一人としていない。

  名前 コメント
4年生 松浦 佳南 学生生活最後の駅伝となるので必ず出場して4年間の思いを全て出し切って走りたい。今までの自分の殻を破るような走りをして優勝に貢献し、有終の美を飾りたい。
3年生 志和 真純 富士山駅伝以降は最上級生になるので、チーム全体のことを考え、今年できなかったことは来年必ずできるように、一生懸命やっていく。
塩崎 葵 自主的に考えて取り組むことは、学問や将来の仕事でも生かせる重要なこと。自分に自信がつくように決めたことをやり抜き、継続して、みんなの期待に応えたい。
黒川 ももか 駅伝では体重の管理が重要なので、昼食を自炊するなどして栄養バランスに配慮している。今後は走り込みでフォームを固め、タイムを上げていきたい。
向井 智香 自分で設定した目標を達成するため、メニューの意味や内容を明確にしながら取り組んでいる。女子駅伝部は特別強化クラブで、みなさんが応援してくださっているので、その思いに応えたい。
2年生 小森 星七 昨年と同じ4区での出場を目指している。前回できなかったラストの400mでスパートをかけるため、コンディションを整えていきたい。
加藤 綾華 富士山女子駅伝で走ることを目標に練習している。1年生ががむしゃらに頑張っているので、負けないように頑張りたい。
1年生 鴨志田 海来 まずは記録会などでタイムを上げたい。その上で、選んでもらえる選手になれるよう頑張りたい。
井上 葉南 大学に入ってさらに長い距離に挑戦している。競技でも大学生活でも学ぶことばかりの毎日で、これからも積極的に吸収していきたい。
藤ヶ森 美晴 まず、メンバーに入ることを目指して頑張っている。レベルの高い選手と一緒に練習し、生活しているので、自分の気持ちの高まりを感じている。
水澤 唯菜 基礎作りをしっかりして、長距離を力強く走れる選手を目指している。チーム全体の雰囲気も良く、スタッフの支えもあるので頑張れている。
山口 真由子 効率よく走れるように、フォームを見直している。チーム全員が競技に対して高い意識を持つ環境なので、自分の意識もどんどん高まっている。

自らもランナーであり、寮では選手たちの生活面でのサポートも担う早乙女主務(4年生)は「恵まれた環境で競技に打ち込んできましたが、富士山女子駅伝で引退となります。今は、やり残したことがないように、選手と一緒にいる時間を大切にし、2冠に貢献できるようサポートに努めています」とかいがいしく働く。

勝利だけでなく、ランナーとして、人としての成長も目指して駆け続ける大发体育官网_澳门游戏网站女子駅伝部の選手たち。多くの人々から力強いサポートを受け、ゴールを目指す挑戦は続いている。