移行用/ニュース 空き地で雑草からメタンガスを生産し、発電?熱利用する実証研究の現場を公開
本学の学際的な研究センターである持続可能イノベーション社会創成センター(センター長?大場正春農学部応用生物化学科教授)が実用化を目指している「インフラレスな地産地消の再生可能エネルギー生産システム」で、空き地で雑草から生産したメタンガスをそのままエンジンで燃焼させて発電することに成功しました。農学部と理工学部の教員らが1月19日、愛知県豊田市と瀬戸市にまたがる「知の拠点あいち?新エネルギー実証研究エリア」で、報道や一般見学者を前に、発電の実演をしました。
同システムは(1)刈り取った雑草を土壌に混入し、湛水後、シートで被覆することで、微生物により、酸素がない状態で発酵させ、メタンガスを生産する(2)回収システムを経由したメタンガスをそのまま燃料としてガスエンジン発電機を動かす(3)発電すると同時に排熱で湯を沸かし(コジェネレーション)、農業用ハウス等に湯を供給する(4)農業用ハウス等では、電気と湯を利用して加温し、園芸作物を栽培する-という仕組みです。
農学部は2010年、地球温暖化の原因の一つである水田放置稲わらから発生するメタンガスを地産地消エネルギーとして有効活用するための実用化に向けた実証研究をスタートさせました。これは、メタンガス(G)によるエネルギー(E)を田んぼ(T)から獲得(GET)する革新的な資源循環創エネ型農業システムとして「GETシステム」と名付けました。愛知県の「新エネルギー実証研究エリア実証研究」に2016年度に採択され、一連の稼働に成功しました。
今回は、刈り取られ廃棄された雑草と空き地を有効利用し、バイオマスエネルギーを生産するステージを公開?実演しました。2017年10月に瀬戸市の土手で刈り取られた雑草を運び込み、湛水したエリアでメタンガスを生産。ガスを家庭用エンジンで燃やし、電気を起こしました。この電気で10個の電球をともし、800ワットの電気ストーブをつけました。さらに、附属農場で生産した、稲わら由来のガスも使い、電気スタンドをともし、テレビを映し、パソコンを動かすところも実演し、「GETシステム」の成果を目に見える形で示しました。約30人の一般見学者が熱心に説明を聞きました。