トップページ/ニュース 2022年度もFSP進行中 外国語学部1年生対象の看板科目
企業等12団体から与えられた課題にチームで取り組み主体性と実践力を養う
外国語学部の1年生は、前期の必修科目『基礎演習Ⅰ』で、一般企業等が参画する学習プログラムを受講します。Future Skills Project (通称FSP/一般社団法人Future Skills Project研究会監修)と呼ばれるこのプログラムは、同学部の看板科目の一つで、企業等が実際に抱えている課題に対し、学生がグループワークを重ね、アイデアをプレゼンテーションし、それを企業が評価するという体験型学習(PBL:Project Based Learning)の一環です。課題提案を通じて学生の多くが自ら学びに向かうことの大切さと、社会の広がり、大学ですべき自分に必要な(自分に足りない)学びに気づくことにつながっています。挫折に近い経験をする学生もいますが、授業終了時アンケートでは、そういった学生がこの経験ができたからこそ自分の殻を破ることができた等の非常に前向きな内容を回答しており、大学4年間の学びを充実させると同時に、培った主体性やプレゼンテーション能力は就職活動や卒業後にも役立つと期待されています。
2022年度は12の企業等が参画し、学生たちは1学期間で計2企業等の課題に取り組み、実社会で活躍する人たちから指導を受けます。その一つを取材しました。
難民支援の社会福祉法人が課題を提示 チームで解決にまい進
宮崎新教授と宮下大夢助教がペアで担当するクラスです。講師は日本に定住する難民やその子弟等の自立支援をする社会福祉法人さぽうと21(東京都品川区)です。
提示課題は(1)難民のオンライン学習支援に、毎週2時間、1年間継続して参加する無償の大学生ボランティアを10人以上確保するための方法を考える(2)資金ゼロの状態から、名古屋地域に暮らす(少なくとも)2家族6人の難民の小中学生が、週1回対面で学ぶことができる学習支援教室を企画する、です。
学生たちは3~4人ずつチームに分かれて課題解決にまい進します。
5月17日は第1次提案が行われ、それぞれのチームが報告しました。
ボランティア集めの課題に対しては、教員を目指している人、子どもが好きな人、大学生のボランティア団体やサークルに声を掛ける、インスタグラムを駆使するなどの案が出ました。継続して人員を確保するために学生のボランティア活動を単位認定している大学に呼びかけるという案や、履修登録が終わった4月中旬が募集に適しているという指摘なども出ました。
会場については、費用の安い地区会館、公民館、児童館とともに、集まりやすい名古屋駅前の貸会議室という案もありました。
さらに、費用集めの方法として、寄付型クラウドファンディングの提案が複数のチームから挙がりました。
その他、一つのチームは、ボランティアを続けた人に「証明書」を発行することで各自の活動を可視化し、就活にも利用できるようにするという具体的な提案を披露しました。
実現可能性のある高い精度の内容を要求される
- 提案後の各チームでのリフレクション
- 提案後の各チームでのリフレクション
さぽうと21学習支援室チーフコーディネーターの矢崎理恵さんがチームごとに質問やコメントをし、各チームはこれを受けて改善点を話し合いました。
矢崎さんは、気が付いた点として(1)スケジュール感が見えない(2)人員の態勢とそれぞれの役割(3)子どもたちが教室に何を求めているか(4)1年間継続するための仕組みづくりについて集約の上、経費面も考えながら持続可能な活動を目指してほしいとアドバイスし、実際に提案内容の実施検討を始められるような実現可能性のある高い精度の内容を求めました。
熱心に質問した杉本葵さんは「資金を確保し、継続的に支援できるようにするためには、クラウドファンディングの知識を身につけなければならないと思った」と話しました。
一つ目の企業?団体向けの最終提案は5月31日の授業で行われます。
参考サイト