吉野彰終身教授ノーベル賞受賞記念講演会を開催 野依良治客員教授との「ノーベル賞学者対談」も

対面とオンラインの併用で400人が聴講

フォトセッションで聴衆に手を振る(左から)室山哲也氏、吉野彰終身教授、野依良治客員教授 フォトセッションで聴衆に手を振る(左から)室山哲也氏、吉野彰終身教授、野依良治客員教授
講演する吉野彰終身教授 講演する吉野彰終身教授

本学は、吉野彰終身教授の2019年ノーベル化学賞受賞を記念して12月11日、講演会を開催しました。吉野終身教授による「リチウムイオン電池の開発物語」と題した講演の後、2001年ノーベル化学賞受賞者の野依良治客員教授と吉野終身教授との対談「イノベーションを起こす源泉、必要な力とは」も行いました。2人ともメッセージ性の高い発言で分かりやすく語りかけました。

2020年から新型コロナウイルス感染症が蔓延したため開催が延びていました。例年ノーベル賞授賞式が行われる12月10日の時期に合わせての開催となりました。

本学学生?大学関係者のみ対面、本学学生?大学関係者と一般の人はオンラインでの参加とし、対面で約200人、オンラインで約200人が聴講しました。報道陣にも公開し、新聞、テレビなど5媒体が取材しました。

吉野終身教授は講演で、リチウムイオン電池と未来の車社会、カーボンニュートラルに向けた方向性、自らセンター長を務める産業技術総合研究所GZR(ゼロエミッション国際共同研究センター)での取り組み状況の3つに分けて話しました。

対談は、日本科学技術ジャーナリスト会議会長で元NHK解説主幹の室山哲也氏がファシリテーターを務めました。

話は広範囲にわたり、吉野終身教授は「35歳の自分を想像して」「歴史はイノベーションに密接に関連している。未来を予測する学問だ」、野依客員教授は「内発的好奇心で取り組まなければならない。やらされ感はダメ」「いろいろな国から来た外国人の友達に触発された。将来のことを考えると有効」などと分かりやすいキーワードが次々と飛び出しました。

質疑応答で会場からは大学院生と学部生計3人が質問。両教授は丁寧に回答していました。

会場に一番乗りし、質問も最初に行った大学院理工学研究科機械工学専攻修士課程1年の原田将成さんは終了後、「質問をしようと思って来た。私も『内発的好奇心』に基づいて研究しているので、自分の志す道が間違っていないと確信できた」と充実した表情で感想を述べました。

講演会の模様は後日、ウェブサイトで公開予定です。

メッセージ性の高い発言が続々

  • 対談で発言する野依良治客員教授 対談で発言する野依良治客員教授
  • 対談で発言する吉野彰終身教授 対談で発言する吉野彰終身教授
  • 対談の模様 対談の模様
  • 200人が参加した対面の講演会場 200人が参加した対面の講演会場