特設サイト第1回 植物のある暮らし
春になりました。
先頃の新聞記事によりますと、環境省のプロジェクトチームが「日本の平均気温は今世紀末には3.5℃から6.4℃上昇する」という報告を行いました(朝日新聞3月17日付)。こうなりますと、北海道を除くほとんどの地域が亜熱帯化し、洪水被害のみならず、熱中症の増加やマラリア、デング熱などの感染症リスクが新たに生まれることも懸念されます。
このまま行くと、新たな二十四節気の策定が必要かもしれません。
さて、皆さんは季節を何で知るのでしょう。
気温や湿度などの気象条件からでしょうか。それとも、学校行事や仕事の切り替わりからでしょうか。魚や野菜など旬の食べ物から知る人もいるでしょうし、中には飛散する花粉の種類で季節を感じる方もいるでしょう。
季節の到来を告げるものの中で、私が一番好きなものは「香り」です。
外に出たとき、あるいは開けた窓から、どこからともなく漂ってくる香りに季節を感じます。春を前にした香りと言えば、沈丁花の香りですし、五月晴れの頃には藤棚が強烈な香りを放ちます。梅雨のあとさきにはほんのりとクチナシの香りに癒やされますし、そして秋には街中キンモクセイの香りに包まれ、なんとなく幸せな気分になります。
実際に目にしなくても、ふと感じ、そしてはっと気づくところが香りのいいところだと思います。
(2014年4月21日)