ナノサイエンスの先駆者?飯島澄男終身教授
電子顕微鏡を駆使した材料研究 原子を可視化
Zoomで記者の質問に答える飯島澄男終身教授
今回の研究に使った特殊な電子顕微鏡を説明する飯島終身教授
カーボンナノチューブの発見者でノーベル賞候補とされる飯島澄男終身教授(81)の研究論文が2021年3月1日、科学誌Natureの姉妹誌(Communications Materials)で筆頭著者として電子出版されました。
https://www.nature.com/articles/s43246-021-00128-z
今回はカーボンナノチューブではなく、別の研究である電子顕微鏡を駆使した材料研究です。百年来の伝統を破る全く違った方法を開発し、原子配列を直接見ることができます。内容は別紙(2枚)のとおりです。
簡単に言うと、高性能走査型透過電子顕微鏡(STEM)を使い、電子線を細く絞って個々の原子に照射し、原子1個1個から出る特性X線(EDS)を読み取るという「合わせ技」です。この組み合わせで原子を可視化することに成功しました。
「81歳のデモンストレーション」
- 特殊な電子顕微鏡で撮影されたニオブ?タングステン酸化物結晶(2Nb2O57WO3)の原子像写真(緑色はニオブ原子、赤色はタングステン原子)
- 「50年前の試料を取り出して電子顕微鏡で研究している」と近況を語る飯島終身教授
写真はニオブ?タングステン酸化物結晶(2Nb2O57WO3)の原子像です。
飯島終身教授によると、この金属酸化物は固体リチウムイオン電池の電極材料として注目されており、本人が半世紀前に米国で電子顕微鏡の研究をしていた時の試料を復活させたといいます。
飯島終身教授はZoomでの質疑応答で「基礎研究は国の文化に貢献する。他の国から尊敬される」と強調。「81歳になった今でも基礎研究の第一線で世界に挑戦している。日本の若い人も頑張ってほしいというデモンストレーションになれば」と話しました。
5社5人がZoomで参加しました。
- 高性能走査型透過電子顕微鏡(STEM)
- 高性能走査型透過電子顕微鏡(STEM)の仕組み図
- データ
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