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令和元年度
事業目的
本事業では、新規ナノ材料の開拓と創製を通じた戦略的なブランディングにより、本学のブランド力を高め、広い視野をもった質の高い意欲的な入学者を獲得し、本学伝統のナノ材料研究を世界最高水準に発展させ、世界的な研究拠点を構築する。同時に本学の将来ビジョン「『学びのコミュニティ』を創り広げる」にならい、学問の探求と理論の応用による成果を教育と社会に還元する。さらに平成28年度選定事業「青色LEDを起点とする新規光デバイス開発による名城大ブランド構築プログラム」との協奏的ブランディングを推進し、「世界の名城大」のブランド構築を行うことを目的とする。
令和元年度の実施目標及び実施計画
前年度に引き続き、新規ナノ材料の開拓と創製を進めるとともに、酸化物ナノチューブの作製、酸化物ナノシートの混晶化における組成制御など、新たな研究展開を図る。具体的にはグラフェンへの窒素原子ドーピングの実現や酸化鉄および酸化チタンナノチューブの構造制御技術開発を目標とし、ナノ材料系学術論文発表件数22件、学会発表件数59件、受託研究?共同研究受入れ3件増を目指す。そのために分子科学研究所をはじめとする他機関の研究装置の活用や博士研究員の継続雇用、国際共同研究の推進にも取り組む。ブランディング面では、ここまでの活動を引き継ぎながら、光デバイス研究センターとの協奏的連携によるブランド力向上を戦略的に図る。
令和元年度の事業成果
ナノカーボンに関する研究では、X線吸収分光(XAFS)法によるカーボンナノチューブ成長過程の高速“その場”測定手法の開発を進めた。また細径単層カーボンナノチューブ膜の直径制御や大面積化の研究にも一定の成果が得られた。酸化物ナノチューブに関する研究では、酸化鉄や酸化チタンナノチューブの合成の他、酸化鉄ナノチューブへのLiイオンドーピングや酸化チタンナノチューブの混晶化に成功した。この他にも六方晶窒化ホウ素の合成を行い、数十マイクロメートルスケールの大ドメインサイズの試料作製に成功した。これらの成果は学会発表件数60件、基調講演?招待講演8件、学術論文13件、特許申請2件に示されている。ブランディング面では、大学主催の公開シンポジウムは新型コロナウイルス感染症拡大により、中止になったが、ナノマテリアル研究センターでは「先端ナノカーボン材料国際シンポジウム」や継続的に「ナノマテリアルセミナー」を開催し、研究成果を国内外の研究者らへ発信している。高校生向けには、全国の理系志望の生徒へ当該事業に関するDMを発送し、認知度向上のための取り組みも行った。さらに大发体育官网_澳门游戏网站では、大学の有する研究シーズを広く学外へ発信することを目的に「大发体育官网_澳门游戏网站テクノフェア2019」を開催し、800人の来場者を迎え入れている。また令和元年度は、上海大学(中国)他との共同研究やデンプ人文科学大学(インド)他との学部間協定締結等、海外の大学や研究機関との国際共同研究の推進に取り組んだ。
令和元年度の自己点検?評価及び外部評価の結果
自己点検?評価
自己点検?評価は、これまで書面評価とヒアリング評価にて判定していたが、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、研究ブランディング事業実施委員会で審議した結果、令和元年度の評価方法は、書面評価のみで判定する旨を決定した。進捗状況報告書をはじめとする評価に係る資料を研究ブランディング事業実施委員へ配信し、令和2年5月20日から5月29日の間で書面評価を実施した。委員15人による書面評価の得点を集計した結果、945点満点(63点満点×15人)中、817点を獲得し、その得点率は86.5%であり、「優」と判定した。
外部評価
外部評価は、これまで大学の研究者、企業の技術者、国や県の産業振興に携わる方々より選出された外部評価委員会委員の書面評価とヒアリング評価によって判定をしていた。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、研究ブランディング事業実施委員会で審議した結果、令和元年度の評価方法は、書面評価のみで判定する旨を決定した。これにより、進捗状況報告書をはじめとする評価に係る資料を外部評価委員会委員8人へ配信し、令和2年5月26日から6月8日の間で書面評価を実施した結果、504点満点(63点満点×8人)中、403点を獲得し、得点率80.0%となり「優」と判定された。書面評価における各委員からの所見には、研究成果を踏まえた論文発表や国際シンポジウム開催の他、独自のセミナーも積極的に行っており、また企業との共同研究?受託研究の件数も増えている点は評価に値する。これらの活動をWEB上にて効果的にアピールする工夫がなされており、これらの成果は確実に大学ランキングの向上につながっており、ブランディング戦略として功を奏している等の評価の反面、ナノマテリアルはまだ基礎的な研究段階とはいえ、社会実装として一般にわかりやすい提示が必要ではないか。そのためにナノ材料の社会実装を推進している世界的な企業に対する知名度を高めていく工夫がほしい等の意見も挙げられた。これらは令和2年度の事業展開に合わせて、研究ブランディング事業実施委員会において対応していく必要があり、今後のさらなる改善に繋げていくことになった。
令和元年度の補助金の使用状況
令和元年度予算配布額 26,800千円に対し、執行額は25,258千円となり、その執行率は94.2%であった(デリベーション研究1件に係る予算執行額を含む)。主な使途は以降のとおり。①研究費:18,643千円(STJ1000度加熱チャンバー:3,024千円/電気化学測定システム:1,210千円/海外旅費(ネパール、アメリカ、ドイツ、クロアチア):1,688千円他)②人件費:3,582千円(PD給与1名)③広報費:3,033千円(ブランディング事業DM:2,350千円/海外論文掲載料:261千円他)。