トップページ/ニュース ノーベル賞授賞式に出席した化学賞の吉野彰教授が帰国
純金メダルに「環境問題に対する責務の重みもこもっています」
ノーベル賞授賞式などスウェーデン?ストックホルムでの一連の行事を終えた吉野彰大学院理工学研究科教授は12月15日午前(日本時間)、帰国しました。
吉野教授は成田空港国際線到着ロビーで日本航空側から花束を受け取り、空港利用者の拍手に迎えられました。
空港内で、久美子夫人と二人で記者会見に臨み、「ノーベルレクチャーや授賞式、晩さん会が順調に終わり、ホッとしています」と心境を語りました。久美子夫人は「スウェーデンはずっと天気が悪く、10日だけ青空を見て最高の授賞式を迎えました。(夫を式場の客席から見て)ノーベル賞をもらった喜びを一歩一歩かみしめながら臨んでいるようでした」と印象を述べました。
吉野教授はメダルと賞状を報道陣に披露し、「(メダルは)純金だから重い。私だけでなく、一緒に努力した人たちの思いと、環境問題に対する責務の重みもこもっています」。二つ折りの賞状の左側には絵が描かれており、「絵は受賞者ごとに違います。有名な方が描かれたと聞いています」と紹介しました。
吉野教授は疲れた様子も見せず、いつも通り笑顔で受け答え。和やかな帰国会見でした。
学生たちに「将来への道筋を教えたい」
【主な一問一答】
Q 滞在中、いろいろなイベントに参加し、一番印象に残っていることは。
A レクチャー、授賞式、晩さん会のほかに、地元の学校を4カ所訪問し、子供たちの生の声を聞いた。環境問題に対する関心をひしひしと感じた。
Q 具体的には。
A 子供たちは環境問題に恐怖心を持っている。だれも答えを示してくれないし。しかし、ノーベルレクチャーで示した動画を見せたら、(その中で描かれている明るい将来像を見て)安心していた。
Q 今後の中長期的な活動は。
A これからの日本の研究はどうあるべきか、その旗振り役を務め、環境問題に対して道筋をつける責任がある。
Q 日本に戻ってやりたいことは。
A 俗っぽく言うと、きつねうどんが食べたい。
Q若い学生にあらためて伝えたいことは。
A 自分が将来こうありたいという目標はきっちりもっているが、道筋を見つけられない。こんな道筋がある、と教えてやらなければならない。