在学生?教職員/ニュース 人間学部の畑中美穂教授が新型コロナウイルス流行第5波の消防職員の救急活動に関して調査
搬送困難事例の増加で、ストレス体験は第2波を上回る
人間学部の畑中美穂教授(社会心理学)が12月22日、天白キャンパス研究実験棟Ⅱで、新型コロナウイルス感染症流行第5波(2021年)の消防職員の救急活動に関する調査結果を記者発表しました。第5波では病床逼迫によるコロナ患者の搬送困難が社会問題化しましたが、それを裏付けるように、患者と医療機関との間に挟まった消防職員のストレス体験が前回調査の第2波(2020年)を上回っていました。
- 記者会見する畑中美穂教授(右)と松井豊筑波大学名誉教授
- 会見資料
結果を記者発表 活発な質疑応答
- 記者会見の様子
社会的関心の高さを反映して、記者会見には新聞社3社、テレビ2社、通信社1社の計6媒体が出席。質疑応答も活発に繰り広げられました。
会見では、豊富なデータや消防職員の自由記述回答を挙げ、消防職員の苦悩を代弁。次の5項目を提言しました。
①感染防護資器材の改良?充実
②病院選定と搬送に係る負担の解消
③感染危険手当のさらなる充実
④PCR検査とワクチンの優先接種
⑤救急活動に携わる消防職員の立場の向上。一般の人も救急活動に理解を
質疑応答で畑中教授は「第2波でいろいろな課題が明らかになり、報道もされ、改善されているとは思うが、コロナとの長い闘いの期間、消防職員が救急活動の中でどれほど心身をすり減らし、自身の感染を不安視してきたかを知ってほしい。消防職員は医療関係者に比べて立場が低いと感じ、それもストレスになっている」と総括しました。
共同研究者で会見に同席した松井豊筑波大学名誉教授(社会心理学)も「報道を通して、消防を運営する自治体に、改善に向けて検討していただきたい」と、会見の意義を強調しました。
畑中教授と松井名誉教授にとっては、2020年9月8日に第2波期の消防職員調査結果を発表して以来の記者会見です。