在学生?教職員/ニュース 第7回実践スポーツ医科学研究会を八事キャンパスで開催

オリンピック金メダリストら80人が参加

参加者全員で記念撮影 参加者全員で記念撮影
故古賀稔彦さんの追悼発表をする梅田孝教授 故古賀稔彦さんの追悼発表をする梅田孝教授

薬学部の梅田孝教授が代表世話人を務める実践スポーツ医科学研究会が2022年3月11日、八事キャンパスで開催されました。選手の育成、強化、健康管理に生かせる3つの研究発表があり、柔道のオリンピック金メダリストや大学のスポーツ指導者ら各地から参加した約80人が聞き入りました。

同研究会は、2015年4月に本学総合研究所?スポーツ医科学研究センターが開設されたことに併せて設立。2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大を受けて小規模で開催し、2021年度の第7回は感染防止対策を強化しながら対面で開きました。

樗木(ちしゃき)武治松山大学准教授による「柔道の稽古による脱水が免疫機能に及ぼす影響について」、本学薬学部5年の渡辺拓(ひろし)さんによる「大学サッカー選手における強化合宿による身体的疲労と精神的疲労の出現の特徴とその関連について」、梅田教授による「大学1年生男子柔道選手への3カ月トレーニングプログラムがもたらす筋肉損傷と好中球機能の影響」の3題の研究発表が行われました。

梅田教授の発表は、1992年バルセロナオリンピック柔道男子71kg級金メダリストで2021年3月に亡くなった古賀稔彦さんが行った研究で、古賀さんが同研究会の設立者の一人であることから同氏の追悼発表という位置づけで行われました。この研究は高校で競技を引退し約半年間トレーニングから離れていた大学新入学柔道選手が入学直後から上級生と同様の高強度、長時間、高頻度のトレーニングをすることによる身体への影響を筋機能、免疫機能から検証しました。大学新入学時にアスリートなどでよくみられる「五月病」は、生活?練習環境の変化による精神的なストレスが主な原因と思われています。しかしこの研究の結果、入学直後から開始される激しいトレーニングが慢性的筋疲労や免疫機能の低下を引き起こし、これが「五月病」の発症要因の一つとなっていることを明らかにしました。このデータ分析から(1)上級生とは別メニューで徐々に強度を上げていく、(2)上級生と同一メニューでトレーニングをせざるをえない場合は、運動以外の栄養、休養の取り方(質?量)に細心の注意を払う、(3)大学側で入学までのトレーニング計画、実施を管理し、最低でも体力面の維持を心掛け入学させる等の改善策を提言しました。

このほか、オリンピック柔道史上初の3連覇を達成した野村忠宏ミキハウススポーツクラブ?ゼネラルマネージャー、オリンピック柔道女子で金メダル2個の谷本歩実公益財団法人日本オリンピック委員会理事、日本体育大学前副学長?笠井里津子教授、「バズーカ岡田」で知られるボディービルダーの岡田隆日本体育大学准教授らも参加。梅田教授の司会で活発な質疑が交わされ、本学女子駅伝部員6人も熱心にメモをとっていました。

選手の育成、強化、健康管理に生かせる科学的知見を学ぶ

  • 研究発表する渡辺拓さん 研究発表する渡辺拓さん
  • 豪華な顔ぶれが集まった会場 豪華な顔ぶれが集まった会場
  • 問いかけに答える岡田隆さん 問いかけに答える岡田隆さん
  • コメントする谷本歩実さん コメントする谷本歩実さん
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