在学生?教職員/ニュース カーボンニュートラル研究推進機構のキックオフ企画 特別講演会を開催
世界最強の「ネオジム磁石」開発の佐川眞人シニアフェローが登壇
温室効果ガスの排出を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」に関わる研究を推進するため、本学が2022年4月に立ち上げた「カーボンニュートラル研究推進機構」のキックオフ特別企画として、機構のシニアフェローに就任した大同特殊鋼株式会社顧問の佐川眞人氏による特別講演会「ネオジム磁石の発明と工業化―研究者になって世界に貢献しよう」が7月13日、天白キャンパス研究実験棟Ⅳで開催されました。教職員や学生、企業関係者ら70名が聴講し、メディアも6社が取材に訪れました。
吉野終身教授から期待のメッセージ
- メッセージを寄せた吉野終身教授
冒頭、機構長の平松正行副学長が挨拶で「カーボンニュートラルとは何か、カーボンニュートラルに向けて何ができるのかを議論していくため、オール名城で取り組んでいく」と機構の役割などについて説明。名誉顧問に就任した吉野彰終身教授が動画でメッセージを寄せて「カーボンニュートラルは人類共通の大きな課題。世界で一斉に動き出しており、各分野の英知を集めた機構ができて心強く思っています」と期待しました。
成功の秘訣は「考えて、考えて、考え抜くこと」
- 学生からの質問に答える佐川シニアフェロー
佐川シニアフェローは1982年、電気自動車やハードディスクのモーターなど幅広い用途に使われている世界最強の永久磁石「ネオジム磁石」を開発し、2022年には工学会のノーベル賞と言われるエリザベス女王工学賞を受賞されています。
講演で佐川シニアフェローは、企業で研究を続け、思考と実験を繰り返しては新たな発見とアイデアを次々と生み出し、39歳でネオジム磁石の発明と特許の出願に結び付けた自らの研究者人生を振り返りました。その上で、成功に導いた秘訣として「考えて、考えて、考え抜くこと」を挙げ、「人の知らないことを解明する研究者は最高の仕事。真のニーズを探し、真っ向から取り組んでほしい。研究者の皆さん、野心を持ってください」と呼びかけました。
講演後には数名から質問も寄せられ、閉会の挨拶で副機構長の大野栄治副学長は「佐川先生の講演から、カーボンニュートラルを目的としなくても、結果として後に役立つ研究があることが分かった。こうした研究も集めて発展させていきたい」と感想を述べました。
- 開会の挨拶で機構の目的を説明する平松副学長
- 閉会の挨拶で講演の感想を述べる大野副学長