大学概要【2018年度実施分】国際観光都市?高山での訪日外国人調査とまちづくりセミナー
外国語学部
本プログラムは、外国語学部?二神ゼミナールが地域と連携して、飛騨高山のインバウンド戦略と外国人と共生するまちづくりという課題に取り組むものです。主要な活動としては、飛騨高山で地域活性化の課題解決につながる活動を展開している地元まちづくり団体と連携して、高山市を訪れる外国人旅行者及び受入側の地域事業者に対する聴きとり調査を行うことです。学生は日本を訪れる外国人に英語で直接質問することで地方都市のインバウンド戦略についての課題を発見し提言をすることを目標としています。
ACTIVITY
高山市での調査に向けた活動1:アンケート調査票の作成と下調べ
2019/01/07
3年次ゼミナールでは、英語運用能力をベースとした国際観光ビジネスをテーマとして研究しており、2018年度学びのコミュニティ創出支援事業として、地域と連携して「飛騨高山のインバウンド戦略と外国人と共生するまちづくり」という課題に取り組みました。前期のゼミナールIでは、高山市を訪れる外国人旅行者及び受入側の地域事業者に対するヒアリング調査について、飛騨高山で地域活性化の課題解決につながる活動を展開しているNPO法人「まちづくりスポット」と連携しながら現地調査の計画を進めるとともに、英語版のヒアリングの質問票(25項目)を作成しました。そのうえで、外国人が訪れる頻度の高い施設を調査対象として4つ選び、一般財団法人飛騨高山大学連携センターの協力を得ながら各施設から調査の許可も得ることができました。
高山市での現地調査(8月4日)を実施するため、前日に高山市に入り、まず高山市の中心部に位置する飛騨?高山観光コンベンション協会を訪れ、外国人向け多言語パンフレットの設置状況を調査しました。次に、調査対象となっている4つの施設(高山駅、飛騨の里、高山陣屋、日下部民藝館)の下見を行い、夜は調査に使用する質問票等の袋詰め作業を全員で行い、二人一組で実施する調査方法の最終確認を行いました。学生たちは、英語版アンケート調査票の作成方法をはじめ、現地協力団体との事前打ち合わせの重要性、現地の下見、調査に必要な物品の準備など一連のアンケート調査の事前準備段階にやるべきことを実践的に学ぶことができました。
高山市を訪れた外国人に対するヒアリング調査の実施
2019/01/17
8月4日午前9時に宿を出発し、1チーム2名で全4チームがそれぞれ事前に定めた高山市内の調査場所(高山駅、飛騨の里、高山陣屋、日下部民藝館)で調査を実施しました。各チームは、担当する施設に到着後すぐに施設の管理者に挨拶を行った後、敷地内外の定められた地点に立ち、施設を訪れる外国人観光客に対して、ヒアリング手法に基づいてまず英語で声をかけ、相手の同意を得たうえで質問を開始しました。
調査当日は快晴で風もなく、立っているだけで汗が出るような気象条件でしたが、参加した学生は最後まで真剣に調査に臨んでいました。今回の調査において、学生たちは主体的に話し合いを重ね、当日の調査方法についても午前と午後で担当場所を変え、異なる場所での比較を行うなど様々な創意工夫を凝らしていました。外国人観光者に対しても積極的に英語で話しかけると同時に、相手からの質問に対しても自信をもって英語で応えており、調査手法のみならず実践的なコミュニケーション能力を学ぶことができました。
最終的に、一日で約80名近い外国人から回答を得ることができ、学生たちにとっては初めての挑戦であったにもかかわらず大きな成果をあげることができました。今回の調査では、一般財団法人飛騨高山大学連携センターの足立直樹氏に、各施設に対する事前の調査許可を取得して頂くとともに、当日は調査場所での様々な形でのご協力?ご支援を賜りました。おかげで、国際観光都市である飛騨高山におけるインバウンド政策とまちづくりの実態について英語で理解を深めることができ、今後のゼミナールでの学びにも非常に役立つ内容となりました。
高山市での訪日外国人調査結果の集約と報告
2019/01/23
高山市を訪れる外国人を対象とした意識調査について、回収した調査票の番号付けやエクセル入力といった作業を学生全員で実施した。実施にあたっては、今回のプロジェクトを連携して進めてくれた認定NPO法人まちづくりスポットの本間あかり氏が、作業場所の確保とともに、同団体によるまちづくりの活動報告もしてくださった。同団体は、高山市内の商業施設の中に位置し、多様な人が集まる交流拠点を運営し、異なる組織の連携を促し多種多様な地域支援サービスを提供しており、学生にとっては国際観光都市?高山がいかに持続的な地域社会を創出しているかを現場担当者から直接話しを聞くことができる貴重な機会となりました。
学生たちも、一日をかけて実施した調査を通して見えてきた高山市の強みと課題について、調査チーム単位で本間氏に加えて同団体代表理事の竹内ゆみ子氏の前で報告を行いました。課題としては、混雑する狭い道での歩車分離の問題や、滞在日数を増やすために不可欠なアクティビティが不足している問題などを指摘していました。