大学概要【2024年度実施分】行動変容を促すための学外活動を活用した学修プログラム
薬学部
薬学分野を選択してきた学生にとって、医薬品の研究というワードは、学生誰しもが憧れを持つ言葉ではないか。しかし、大学生活を過ごす中、実用的な研究開発や基礎研究との大きな隔たりを感じ、現在の自分とは結びつかない感覚を持つようである。このような感覚を払拭するためには、実用的な研究現場の研究者から、直接、話を聞く機会や交流を持つ機会を作ることで、薬学の知識や基礎研究の重要性の裏付けが得られ、普段の行動がより積極的な取り組みに変わることが期待される。本プログラムでは、その経験の一端を担う意味で創薬人育成スクールや学会参加?発表などのプログラムを通して、自らの可能性を信じ、挑戦する気持ちを養ってもらい、主体的に行動が出来る人材の育成を目指すものです。
ACTIVITY
日本薬学会東海支部大会 学部生による貴重な口頭発表機会の場
2024/07/24
学部生が、これまで行ってきた卒業研究を発表する機会は、各研究分野での学会となるのが一般的ですが、昨今の学会では演題数等の関係から、学部生が発表する際にはポスター発表形式になりがちで、口頭発表の機会は限られてきています。もちろんポスター発表も、個々の研究者とじっくり議論が出来る場として大変有意義な発表機会ですが、口頭発表の経験は、学生にとってはポスター発表以上の準備が求められ、異なった環境下での緊張感の中で行う発表は、貴重な経験であり、成長に繋がると言えます。日本薬学会東海支部では、学生時代に費やした研究経験から、社会に出てから学会活動へ目を向けてもらい、貴重な情報交換の場としても認識してもらう目的も含め、学部生の積極的な発表を促しています。そのため、学会では学部生の参加費を無料にしたり、発表形式は口頭発表のみといった取り組みが行われています。今年も、7月6日金城学院大学にて日本薬学会東海支部大会が開催され、大发体育官网_澳门游戏网站からも多くの学部生が参加し、また、参加した学生の一部は、緊張感の中、口頭発表を行いました。学部生には、研究発表という新しい世界へ足を踏み入れたことで、良い刺激となり、今後の研究に取り組む姿勢だけでなく、普段の行動や活動に変化が生まれることを期待したいと思います。
創薬人育成スクールアドバンストコース創薬開発の最新の動向を知る
2024/11/05
今年度東海地区の薬学部が共同で、創薬人育成スクールアドバンストコースを10月5日(土)大发体育官网_澳门游戏网站薬学部 ライフサイエンスホールで開催した。この創薬人育成スクールアドバンストコースは、薬学系大学院への進学者増を目指して、学部生に創薬研究の魅力、惹いては基礎研究への興味を促す目的で、開催されている。今回は、製薬企業3社の創薬研究者から、「産官が共同で行った医薬品開発の新しい試み」、「iPS細胞の最新の創薬への展開」、「最新の創薬モダリティである核酸医薬品の状況」に関する講演を拝聴した。今回の講演テーマが、創薬開発全般に渉ったことから、テーマの公開が遅れたにもかかわらず、学生の参加者が63名、教員も21名の参加が有り、大変盛況であった。
本スクールでは、通常の講演の質疑では、どちらかというと教員からの質問が多いが、その趣旨として研究への学生のモチベーションの向上があるので、教員が一歩引くことで、学生からの質問を中心に進め、普段より積極的に質問が出て、活発な質疑となった。また、講演後には短時間ではあるが、3名の講師の先生方と、既に創薬研究者を目指す学生との懇談時間を設け、企業での研究環境や企業へのアプローチについて、情報を提供して頂き、これは学生にも大変好評であった。
今後も学生達の意識改革から行動変容に繋がること期待し、このような企業の研究者と交流できる機会を設けていきたいと計画している。
アカデミアでの創薬研究と基礎研究の両立
2024/12/11
先のプログラムでは創薬人育成スクールアドバンストコースとして、3名の企業研究者から、企業側の立場での創薬研究の現状を紹介して頂いた。今回は、大学研究者の立場からの創薬研究の紹介を企画し、名古屋大学大学院創薬化学研究科 横島 聡先生から、「分子挙動の理解と天然物合成」と題して、講演をして頂いた。その題材となる化合物は、アカデミアということで天然に存在する生理活性物質を対象に、後の作用評価を踏まえ、誘導化も視野に入れた効率的合成が示されました。しかも、その過程では副生成物生成の課題解決に積極的に取り組み合成過程の修正など、学生の参加者にも非常に良い教訓となる講演会となりました。 一方でアカデミアでの創薬研究は、基礎的な研究をベースに進めるため、医薬品開発という面と相反するところの両立について、学生達も研究方針の難しさも感じ取ることが出来たと考えます。今回の講演会の正確な参加者数までは把握できませんでしたが、参加した学生は60名程度、また教員も8名の参加が有り、今後も継続的に様々な分野の研究者との交流を続け、学生達の意識改革に繋げていきたい。