トップページ/ニュース 谷田研究室が無印良品でタイル産業の企画展とカケラ模様のタイル作りのワークショップ


建築学科の谷田真准教授研究室と岐阜県多治見市のモザイクタイルミュージアム、タイルを題材としたアート活動に取り組むguse ars(グセアルス)を中心とした産学連携の取り組み「PiO TILE(Peace in Oneタイル)」が5月24日から6月22日まで、名古屋名鉄百貨店の「無印良品」で「かさはらのタイル産業とPiO TILE」と題した企画展を開催し、6月1日にはワークショップ「カケラ模様のタイルをつくろう」を実施しました。谷田准教授と研究室の学生は、PiO TILEの開発から企画展の展示レイアウト、ワークショップの運営?サポートまでを担いました。
岐阜県多治見市は日本有数の陶磁器の産地として発展し、多治見市を含む岐阜県の東濃地方でつくられる陶磁器は「美濃焼」と呼ばれています。なかでも笠原町は、タイルの製造工場や関連企業が集まっている地域で、全国シェア8割を超える日本一のタイル生産地です。
谷田研究室は2年ほど前から岐阜県東濃エリアのタイル産地をめぐるフィールドツアー&ワークを続け、今回の企画展とワークショップにつながりました。
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完成した世界で1つだけのマイタイル
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「かさはらのタイル産業とPiO TILE」の展示。レイアウトなどは谷田研究室の学生たちが担う
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用意されたカケラ模様のスタンプ
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タイルの摑み取り販売も行われ、親子連れで楽しむ様子
“Peace in One”な世界で1つだけのマイタイル作り
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タイルの製造工程を説明する虎澤さん
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海や川で採取した陶片を紹介する村橋さん
ワークショップに先立ち、多治見市モザイクタイルミュージアム代表理事で長江陶業株式会社代表取締役の虎澤範宜さんから分業化しているタイルの製造工程や街中に溢れているタイルの活用事例が紹介されました。「タイルを外壁に使ったマンションに住んでいる方でもそれに気づいていないことも多い。耐久性があって、焼き物の独特な色合いなど、唯一無二の素材」と説明しました。
続いて、海や川に漂着する陶片の柄を再構成して新しい作品を発表し続けているアーティストユニット guse arsの村橋貴博さんからは「陶器は使うといずれ割れる。そのカケラで次のデザインを作ることができ、新しいタイルに生まれ変わる。組み合わせ方次第でデザインは無限で、このサイクルを回し続けられるのが魅力」と創作の経緯を語りました。
ワークショップでは、谷田研究室が分業されているタイルの各製造工場で採取した模様や陶片の模様からカケラ模様のスタンプを54個作成。村橋さんが海や川で偶然出会う陶片と同じように、くじ引きで引き当てたスタンプ3個を使ってタイルのデザインを考える方法となりました。参加者は模様の組み合わせや押す位置をどうるか試行錯誤しながら、“Peace in One”な世界で1つだけのマイタイル作りを楽しみました。
谷田准教授は「今回は、卒業したゼミ生たちが取り組んできた成果物を多くの方々に伝えることが、現役のゼミ生たちにとっての大きなミッションでした。建築は形あるものをつくるだけではなく、場をプロデュースし運営することも射程に入れることができる、多様で懐の深い学問分野。今回の企画に関わってくれたゼミ生たちには、ぜひそのあたりを学び取ってくれると嬉しい」と述べていました。
「かさはらのタイル産業とPiO TILE」企画展は6月22日まで名古屋名鉄百貨店の「無印良品」開催しており、6月8日(日)、15日(日)、22日(日)には笠原町のタイル製品の販売会も開催されるということです。新たなタイルの魅力をぜひ体感してみてください。
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タイルの製造工程を紹介するサンプル
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カケラ模様はくじ引きで偶然の出会いを演出
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組み合わせで無限に広がるデザイン
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谷田研究室のメンバー