大学概要【2021年度実施分】新入生の能動的学習態度の形成とコミュニケーション力の向上を目指した導入教育の充実
薬学部
本取組は、入学直後の学生に対して「大学での学修に必要な問題発見?解決力」、科学的な観点から様々な事象を考える上で必要な思考方法を身につけることを目的に実施する。
またグループワークを通じてコミュニケーション能力を向上させるとともに、自分以外の人に多様な考え方があることを学ぶ。さらに自分が「何を知らないか」に気付くことで、今後、大学で学ぶべきことを考えさせる。
ACTIVITY
新入生の能動的学習態度の形成とコミュニケーション力の向上を目指した導入教育の充実
2021/05/08
テーマ1「レジ袋から考える地球環境保全」について、グループワークを行って重要なキーワードを抽出し、自分たちが学びたい課題をまとめるためのディスカッションを行った。(第1週目)
第2、3週目で課題についてまとめ、発表するためのpptスライドを作成し、発表練習などを行うとともに、個人レポートを作成した。
第4週目に、4つのグループを1組として相互に発表を行うとともに、互いの発表について評価表を用いてピア評価を行った。
「成果?課題」
今年度から学生1人に1台のPCを持つことが推奨されていたが、PCの設定やMSワード、パワーポイントの使用、WebClassの使用に不慣れな学生も多く、第1、2週目はそれらの対応に時間を取られ、十分なディスカッションができないグループもあった。しかし早期にこのような授業を実施することで、徐々にPCなどの操作にも慣れ、第4週目の発表時には、ほとんどのグループが比較的スムースに操作などを行えるようになった。また、グループワークを行うことでコミュニケーションをとりながら互いに教え合い、各自の役割を責任をもってこなす態度も身についていく様子が見られ、脱落者もなくほぼ全員が1クール4週間のプログラムを終了した。
第2クール実施後のグループワークと学習結果発表の成果
2021/09/22
コロナ禍による2週間の遠隔授業期間があったが、グループワーク主体の講義であることから「遠隔授業が困難な科目」として認められ、十分な感染予防対策を取りながら、32グループ(16グループ×2コマ)に分かれて第2クール「地球温暖化」について、新聞記事連載「温暖化のリアル」を読んだ上で、ディスカッションとグループによるプレゼンテーションを行った。
「成果?課題」
各グループの調査課題としては「地球温暖化のメカニズム」、「地球温暖化が生態系に及ぼす影響」、「地球温暖化が農業に及ぼす影響」、「異常気象と災害」、「地球温暖化によって起きる健康被害や感染症」などが多かったが、「SDGs」や「各国?企業の取り組み」について言及したグループもあった。またディスカッション後に提出された個人レポートでは、さらに詳細に「SDGs」について調べた学生もいた。
今後様々な専門科目を学んでいく上での導入として、学生が身近な興味を持つことからテーマを選定したが、インターネット上にある情報のみを引用してプレゼンテーション資料を作成しているグループも多く、今後「深い学び」に導くためのテーマ選定などについてさらに検討する必要がある。
プログラム終了後の学生アンケート結果
2021/11/09
3クール(3課題)のプログラム実施後に、本取組みの実施目的である「グループワークを通じたコミュニケーション力の向上」、「問題発見能力の向上」に関するアンケート調査を実施した。
グループワークを行う際の司会、記録、調査課題の担当分担、発表資料作成、発表担当について、アンケートで「自分の役割をきちんと実行できたか」を尋ねたところ、67%が6段階評価で5以上と回答したことから、ほとんどの学生は積極的にワークに参加したと考えられた。
一方、個人の積極的な態度や問題発見能力を確認する目的で「他のグループの発表に対して質問することができたか」を尋ねたところ、「質問できた」と回答した積極的な学生は19.8%で、「質問したいことはあったが、勇気がなかった」という学生が約3割、「質問する内容を思いつかなかった」と回答した学生が約4割おり、積極性や問題発見能力を今後どのように伸ばすかという点が、課題と考えられた。