大学概要【2023年度実施分】新入生の能動的学習態度の形成とコミュニケーション力の向上を目指した導入教育の充実
薬学部
本取り組みは、新入生に対して「大学での学修に必要な問題発見?解決力、および情報リテラシー」や、「科学的な観点から様々な事象を考える上で必要な思考方法」を身につけることを目的に実施する。
またグループワークを通じてコミュニケーション能力を向上させるとともに、多様な考え方があることを学ぶ。さらに自分が「何を知らないか」に気付くことで、今後、大学で学ぶべきことを考えさせる。
ACTIVITY
取り組みの進め方
2023/08/30
入学後、早期に学生相互のコミュニケーションを活性化し、共同作業に積極的に参加する態度、および課題発見と解決能力を形成させることを目的として、9~10名のグループを32つくりグループワークを行った。
15回の講義時間の最初2コマは「大学のWi-Fi環境への接続設定、必要なソフトウエアのダウンロード、WebClassの使用練習」を行った。その後「環境問題」に関する課題文献を読んで、グループワークで「調査項目抽出、分担して調査、発表資料の作成」を行い、その成果を4グループごとに発表させた。図に示すように1課題につき3週(90分×3コマ)でワークを実施、4週目に発表というプログラムで、計3課題を学習することとした。発表時には聴講する3グループは評価表を用いて相互評価を行った。
「環境マイクロプラスチック」をテーマとした学習
2023/11/30
第1回目のテーマとして「環境マイクロプラスチック」を取り上げ、これに関する記事等を複数提示し、学生はグループで学習課題を決めて調査、プレゼンテーションの準備を行った。
多くのグループがマイクロプラスチックの発生原因や生体に及ぼす影響をはじめ、リサイクル問題やプラスチックの代替製品等について調査し、日本と諸外国の取り組みに言及しているケースも見られた。
初めて顔を合わせる学生によるグループワークで、中心となって議論を進めるメンバーがいるかどうかで進行状況がかなり異なっていたが、教員が適宜ファシリテートすることで、次第にスムーズに作業ができるようになった。
「外来生物とそれらが引き起こす問題」をテーマとした学習
2023/11/30
第2回目のテーマとして「外来生物」を取り上げ、これに関する記事等を複数提示し、SGDsの視点から、「人の営みと生物多様性の保全」を関連付けて考察するところまで到達できることを目標にグループワークを行った。
多くのグループは外来生物がどのように持ち込まれるか、またその被害の実例と対策、制度を調べるところまでは到達できた。また一部には外来生物の駆除に関する専門的な論文まで調査したグループもあった。しかし生物多様性やSDGsの観点からこの課題について考察できたグループはごく一部であった。
講義後のアンケートでは、「この課題は比較的容易であった」と回答する学生が約78%であったが、発表はインターネット等で容易に調べられる内容が多く、調べた内容からもう一歩踏み込んで考察することはあまりできていないようであった。