大学概要【2019年度実施分】地域のまちづくり活動に取り組む研究室への活動費補助?地域の地震時減災活動支援に関する活動費補助
理工学部
自然災害に対する防災?減災活動に関して、研究教育活動と地域連携を視野に入れて下記の活動を実施する。
?耐震シェルターの改良?普及(住宅の減災に関する技術開発)
?効果的な家具の耐震対策の開発(地震時の室内の安全に関する情報発信)
?デジタルデザインによるものづくりを活用した住宅の耐震対策の手法の開発と試作
?学生や地域への直下型地震時の防災に関する啓発活動(地震体験等)
ACTIVITY
2019年度活動報告(その1)
2019/08/29
1.耐震シェルターの開発に関する活動
前年度までの活動では、耐震補強の実施が困難な戸建住宅を対象とした「耐震シェルター」に関して高性能な耐震シェルターの技術開発の支援(試作?基礎実験?プレス対応?部品の国内生産準備と改良??2階床の崩落を想定した実証実験?個人住宅への設置)を実施したが(写真-1に再掲)、本年度も継続した開発を支援した。
写真-1 実証実験と住宅への設置事例(昨年度までの概要の再掲)
本年度は、さらに改良した最終イメージを、5月に開催された「中部ライフガードTEC 防災?減災?危機管理展」にて公開した(写真-2)。
写真-2 「中部ライフガードTEC 防災?減災?危機管理展」での公開
現在、継続して性能の検証の技術支援等を実施し、各自治体での推奨取得に向けて活動中である。
2019年度活動報告(その2)
2019/08/29
2.地震体験等の啓発活動に関する研究
主として耐震設計に関する先端技術情報に関する事例検討会を、地域をリードする構造設計事務所と学生を中心に、ゼネコン?他大学教員の参加者を加えて実施し、最新の解析技術から将来動向まで、長時間にわたり忌憚の無い情報交換を実施した(6月)。次いで、行政機関との間で防災活動に関連する施設整備に関する広範な情報交換を実施した(7月)。
写真-3 耐震設計に関する研究会と情報交換会(左;企業?大学、右;行政)
地域への啓発活動と社会貢献の観点での活動として、本年度も継続して3次元地震波震動台等の研究装置の実験切り替え時間を用い、講義(7月)において、兵庫県南部や2016年地震熊本地時の様子を体感する企画を実施し、また、海外の学生向けに防災関連の講義(8月)を実施した(写真-4)。
写真-4 講義等の様子(左;チュラロンコン大学一行、右;学部講義等)
2019年度活動報告(その3)
2019/12/26
1.住宅の補強を始め各種構造物の性能向上に関する活動
建築の各種構造部材に、先端の材料である超高強度モルタルの応用を検討中であり、現在、開発元企業と近隣メーカーの依頼と協力を得て、学生主体のプロジェクトを実施中である。現在、基礎実験と試験体作成までであるが、年度内には部材性能確認に関する基礎実験を実施する予定。
写真-1 基礎実験の様子(企業スタッフと学生)
2.耐震シェルターの開発に関する活動(継続)
本年度報告(その1)の活動に続き、展開する企業と共同で11月に開催された「メッセナゴヤ2019」にて展示した(写真-2)。
写真-2 「メッセナゴヤ2019」での公開(11月6日~9日開催、2号館 2B-62)
3.地震体験等の啓発活動に関する研究(継続)
本年度報告(その2)の活動に続き、地域への啓発活動と社会貢献の観点での活動として継続実施している直下型地震時の室内の安全対策に関して、7月?8月の学外対応に加え、12月に、学生向けの講義の一環で大学院生および学部生によるデモを実施した(写真-3)。今回は2016年熊本地震の本震の再現を実施した。
写真-3 デモ実験の様子
2019年度活動報告(その4)
2020/01/17
1.住宅の補強を始め各種構造物の性能向上に関する活動(継続)
本年度報告(その3)の活動に続き、建築の各種構造部材に、先端の材料である超高強度モルタルの応用を目的とした、学生主体のプロジェクトを実施中である(開発元企業と近隣メーカーの依頼と協力)。部材性能確認に関する基礎実験を実施した。速報の段階ではあるが、既往の材料と比して大幅な性能向上が確認され、今後、住宅を始め建築物全般の各部分への応用を検討開始する。
写真-1 基礎実験の様子(企業スタッフと学生、2020年1月)
2.耐震シェルターの開発に関する活動(継続)
本年度報告(その3)の活動に続き、展開する企業と共同で東京都?補助金認定防災品への申請支援を実施した。具体的には実施した解析?実験等の実施と報告書の作成であり、2019年12月23日に選定が確定し都市整備局から報道発表された。これは全国の各自治体での推奨取得のための重要な一歩であり、さらに改良に向けて活動の予定である。
写真-2 東京都耐震ポータルサイト