理工学部/応用化学科学科長からのメッセージ

MESSAGE

学科長 中村 忠司

 化学は幅広い産業に素材を提供する役割を担っており,科学技術の発展,生活の質向上に多大な貢献をしてきました。現在では,自動車,住宅,電化製品,医薬品,化粧品,食品など多種多様な産業において,"化学の力"で産み出された物質や材料が使用されています。高度経済成長期には,環境に放出された化学物質に起因する環境問題が発生しましたが,それら諸問題も,触媒による浄化技術や環境負荷の低い代替物質?化学プロセスの開発などの"化学の力"で解決されてきました。世界全体が持続可能な社会を目指す現代においては,環境負荷の低減とさらなる生活の質向上の両立に向けて,"化学の力"が益々重要になっています。
 化学は,大きく分けると「有機化学」「物理化学」「無機化学」の3つの分野から成ります。「有機化学」「無機化学」はそれぞれ,有機化合物と無機化合物を研究対象とする分野であり,「物理化学」は,物理学的な視点から,物質の性質や化学反応のしくみの理解を目指す分野です。3つの分野は密接に関連しており,研究開発や応用を進めるためには各分野の基礎をしっかりと理解しておく必要があります。
 応用化学科では,これら3分野に対応する「合成化学」「物質?材料科学」「環境?エネルギー材料」の3つの領域を設置し,各領域の教員が協力して教育と研究を進めています。物質の性質を原子?分子レベルで理解し,その知識をもとに物質を設計?合成?評価できる能力を学生諸君に身につけてもらうことを目指し,3つの専門領域の基礎から応用にわたる講義に加え,豊富な化学実験?実習を重視したカリキュラムを設定して教育を行っています。さらに,化学分野の高度な専門知識,問題解決力,コミュニケーション能力を習得し,研究者?技術者としてグローバルに活躍できるよう,学生諸君には大学院進学を強く推奨しています。
 前述の通り,持続可能な社会を目指す現代において,"化学の力"はその重要度を増しており,有用な物質?材料開発や環境負荷の低減を進めていくことができる化学系人材が強く求められています。応用化学科では,化学に基盤をおく物質?材料開発の新たなテクノロジーの追究を通して,人と環境にやさしい持続可能な社会の実現に貢献できる人材の養成を行っています。

学科長 中村 忠司

  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ