大学概要【2023年度実施分】生物環境を基盤とした持続型社会構築に向けた人材育成

農学部

生物環境を基盤とした持続型社会構築に向けた人材育成
実施責任者:村野 宏達

SDGsやMDGsに象徴される持続可能な開発?社会の構築に向けた取り組みが重要となってきている。次世代を担う学生にとって、生物環境科学科の掲げる「生物?人?自然の調和」に繋がる、より実践的な学びは、学生にとってだけでなく、社会全体の幸福につながる。本取組は、学外の多様な生物環境に係る人材との交流や現場での体験?学びを通し、総合科学的な理解力、洞察力、実践力を養い、人類の永続性を支える人材の育成に資する。

ACTIVITY

青年海外協力隊の活動をとおして環境の国際貢献を考える

2023/06/02

5月29日に2017年度(4次隊)にモザンビーク共和国に理数科教師を任務として青年海外協力隊に参加した山田由美子さんのお話しを25名の学生が聞き、生物環境科学科で学んだことを活かした国際貢献について考えました。山田さんの講演に先立ち青年海外協力協会の藤沢さんより、日本が戦後の復興に世界から2番目の援助額を得て復興したことなどを紹介され、途上国に貢献することの重要性や、利他的に生きることの重要性を協力隊での体験をもとに講演されました。山田さんからは、モザンビークの国立教育大学での活動を通して見てきた”明るく愉快なモザンビークの人々とその生活”と”その裏側にある現実”を織り交ぜながら”私にできた国際協力”についてお話しいただきました。聴講した学生からは多くの質問が出るとともに、講演の後にも個人的に意見を交わすなど、環境に関わる国際貢献について考える良い機会となりました。

自然環境問題ディベート(7月13日?21日)

2023/08/05

 生物環境科学科の5名の教員によるオムニバス講義「生命?食料?環境」では、現代に生きる私たちの現状と課題について、生命科学、食料生産および環境保全の観点から学び物事を複眼的に見る力と論理的に考える力を学生に身につけさせることを目的に授業を行っている。それらの授業の中の一つに自然環境問題についてのディベートがある。学生たちがディベートを行うのは、下記8つの論題である 。
Eクラス
1.日本は微生物を用いた環境修復を推進すべきである
2.日本は無農薬で作物栽培を行うべきである
3.日本はペットの売買を禁止すべきである
4.日本はすべての原子力発電を代替発電に切り替えるべきである
Fクラス
1. 日本は遺伝子組み換え食品の販売を禁止すべきである
2.日本はすべての外来種は駆除すべきである
3.日本はすべての捕鯨を禁止すべきである  
4.日本はプラスティック?ゴミの収集を有料化すべきである
 ディベートを行うのはEクラスが第14回とFクラスが第15回の講義で、第1回講義で各クラス8つの班に与えられた論題について賛成側と否定側に分かれて、4月から7月までの3ヶ月間各自準備を行う。賛成側は論題を実行することのメリット、逆に否定側はデメリットを3つずつ考えて立論を立て、また相手の立論を予想して反論を準備し、さらに自分たちの立論に対する反論を予想もする必要がある。いずれの班もしっかりと準備をしてきていて、どのテーマについても甲乙付けがたいディベートが行われた(別クラスにはどちらの主張がより説得力があったかについて判定を行った)。担当教員が知らないことを調べてきた班もあり、逆に勉強させられたことも多かった。
 与えられた論題について賛成側の意見を持っていても、ディベートでは反対側の立場で意見を述べることになる場合がある。さまざまな考え方があり正解のない自然環境問題については、あらゆる立場から広く深く考えることでそれぞれが自分自身の考え方をもち発信していくことが大切である。先行きが不透明となりつつあるこれからの社会を生きていく中で、ディベートを経験した学生たちが自然環境問題だけでなくさまざまな問題の解決のために少しでも貢献する力になってもらえることを期待したい。

第30回ペドロジスト?トレーニングコース

2023/08/08

 2023年8月2日(水)~4日(金)に行われた第30回ペドロジスト?トレーニングコースに参加を希望した修士1年生2名が参加した。このトレーニングコースは、土壌断面調査の基本、分類法を習得することを目的として毎年行われるもので、本年は北海道大学北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーション中川研究林で行われ、全国の学生および研究者の計36名が参加した。講師には、金子真司氏((元)森林総研)、三浦英樹氏(青森国立大学)のペドロジーのスペシャリストが講師を務め、北海道大学の小林真氏が世話人役を、筑波大学の浅野眞希氏が進行役を務めた。初日と2日目の午前は、5つの土壌断面を5班に分かれて調査した。雨の影響により、一部の調査は室内で行った。2日目の午後に金子氏、三浦氏、小林氏による、北海道特有の土壌に関する講義を受けた。3日目には、1班1断面について調査した結果を発表し、断面の分類方法についてディスカッションを行い閉会した。土壌の断面調査を一人前にできるようなるためには、経験を積むことが重要となる。様々な分野の専門家から学ぶことで、土壌調査の視野を広げる良い機会となったとともに、他大学の学生との交流は研究を進めるうえでの良い刺激となった。

調査地点を決めて土壌断面を掘る。

班員と協力して土壌断面を調査する。

室内に持ち帰った土壌を調査する。

班員との交流。

土壌断面調査に必要な知識について講義を受ける。

観察した土壌断面を発表、ディスカッションする。

海洋研究開発機構(JAMSTEC)見学から分かる研究職の魅力

2023/09/25

9月6日~9月7日にかけて本学科3年生3名、4年生2名、農学研究科修士学生4名と共に、横須賀にある海洋研究開発機構(以下、JAMSTEC)本部へ赴き、実際に行われている研究内容の紹介と実験室、実験施設の見学をさせてもらいました。研究紹介では海洋プラスチックの微生物分解、地球外の宇宙化学、熱水噴出孔の極限微生物、海洋探査機器の開発といった研究がどのように行われるのか研究員の方々に具体的なお話を聞かせていただきました。その後、前述の研究をどのような実験室および実験施設で行っているかや、JAMSTEC所有の「しんかい6500」でサンプリングされた深海生物をどのように研究へ利用しているかなどの見学とそれぞれ研究などへの質問をさせていただきました。また、翌日には、宇宙科学に関連してJAXA宇宙科学研究所相模原キャンパスにて研究員の方々に、「はやぶさ2」から得られた小惑星リュウグウのサンプル分析を行う施設見学や宇宙環境での微生物研究はどのようなことが行われるかなどを紹介していただき、研究に関する質問をさせていただきました。今回の見学では、国立の研究機関における研究がどのような環境のもとで行われ、どのような成果を発信しているかを知る良い機会となり、参加者からは研究職に対する考え方が変わり、研究職を卒業後の進路に考える手助けになったという意見もあり、有意義なものとなりました。

野外実習ポスター発表

2023/11/21

2023年11月18日(土)に学部1年生が4月から行ってきた野外実習の成果発表およびを行いました。藤前干潟の生き物、豊田市自然観察の森の植生、熊、野鳥や土壌動物などについての調査内容が、ポスターにまとめられ、発表されました。

16課題の発表が行われ、活発な議論が交わされた

筑波大学八ヶ岳演習林研修

2024/02/12

2024年1月29日(月)~31日(水)に学部3年生の計 5名で筑波大学山岳科学センター八ヶ岳演習林(長野県南佐久郡南牧村)の研修に参加しました。1日目に現地に移動し、筑波大学八ヶ岳演習林の清野先生から管理している八ヶ岳演習林と川上演習林および、周辺の山々についての説明を受けました。2日目に実際に森林を散策して森林の観察や冬芽や枝の形態に基づく樹種同定練習、雪上の動物の足跡の観察などを行いました。3日目には吐竜の滝およびその周辺の森林を観察した後、大发体育官网_澳门游戏网站に戻りました。学生らは、非常に気温の低い地域における森林の観察を行うという、名古屋ではできない貴重な体験をする機会を得て、充実した時間を過ごすことができました。今回の研修が、環境に関する知識を広げるだけでなく、将来のキャリアの一助となることを期待します。今回の研修のお世話になりましたすべての皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。

筑波大の清野先生に川上演習林の説明を受ける

動物の足跡や樹木を観察しながら川上演習林を散策する

八ヶ岳演習林を観察する

平沢峠で八ヶ岳や南アルプスの説明を受ける

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